ABOUT LITHOGRAPH

鈴木コレクションで扱う絵画は、おもに、複製画である「リトグラフ」です。
ここで「リトグラフ」について、あらためて説明いたしましょう。

リトグラフとは、「リトグラフィー」ともいい、19世紀にヨーロッパで発明された石版画のことをいいます。平らな石の版(平版)に画家が油性の絵具で直接絵を描き、絵具が乾いたあとに、版面に水をかけます。水をかけると油性インキで図柄を描いた部分だけは水をはじきます。その上に紙を載せて繰り返しプレスすると、インクの付いた部分が紙に転写されて複製ができていくわけです。複製ではありますが、現在でも多くの作家がこの技法で作品を制作しており美術品として価値のあるものとして評価されています。

一方、20世紀になって生まれた技術に「シルクスクリーン」があります。
シルクスクリーン(孔版)は、木枠に張った布に、絵具の通る部分と通らない部分を作り、その版を紙の上に乗せて、上から絵具をこすようにして紙に絵具を定着させる版画技法です。
鈴木コレクションでも、アンディ・ウォーホルやヒロ・ヤマガタの絵はこれにあたります。色鮮やかではっきりしたラインが特徴的です。

これら版画というと、複製や印刷物と思われる方も多いでしょうが、昔から多くの画家が制作している、価値のある美術作品です。画家が、なんとか安く自分の作品を世に広めたいという願いが込めて編み出した技法なのです。

リトグラフに代表される版画は基本的に限定数を決めて作られます。その限定数を、分母が限定数、分子を通し番号として分数のかたちで画面下に表記します(200枚印刷したうちの12枚目なら 12/200 のように)。これはエディション番号と呼ばれ、絵の画面下に表示されます。このエディション番号があることによって、作品の希少価値が分かります。(1枚しか制作されない版画にはエディション番号がない場合もあります)
版画は、制作の段階で限定数全てが均質に作られますから、価値も同じになります。

濡れた状態で版面に油性の絵具を乗せると、濡れた版面は絵具をはじき、
油性の絵具で描いたところには絵具が乗ります。その状態で紙を重ねて色を転写します。
シルクスクリーン(孔版)は、木枠に張った布に、絵具の通る部分と通らない部分を作った版を紙の上に乗せて、上から絵具をこすようにして下の紙に絵具を定着させる版画技法です。

西洋美術でよく出てくる孔版は、シルクスクリーンですね。
20世紀に生まれた技術で、アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインが有名です。

著作権の都合で載せられないので、気になる方はググってくださいませ。
ウォーホルは、キャンベルスープ缶で有名な人。
リキテンスタインは、アメコミの一コマを拡大した絵でお馴染みです。

1798年に1798年にドイツ人でプラハ在住のアイロス・ゼネフェルダーが考案した印刷方法です。印刷ではありますが、実は、版画の一種であり、時代背景もあり現代の印刷のように簡単にコピーができる技法ではありません。
リトグラフは平らな石版を使う、石版画のことです。
 つまり簡単にいってしまえば、コピー。でも、ただの印刷ではありません。開発された時代も古いですから、エプソンやリコーのカラープリンターで複製するような方法とは、ちょいと違います。

 まず基本原理ですが、平らな石版石をつかい、油と水が反発しあう性質を利用して印刷します。
 そこで以下の手順でリトグラフ用の絵画を作成していきます。
 1.平らな石灰石に油性のクレヨンや、油性の絵の具で図柄を描きます。
   *石灰石には、脂肪性の物質を吸着する性質があります。
 2.その石を硝酸とアラビアゴムを混ぜた液を塗ってコーティングします。
 3.次に、水をかけますと基本的には水を吸収するのですが、油性インキで図柄を描いた部分だけは水をはじきます。
 4.さらに、ローラーで油性インキをつけていくと、水を吸収した部分は油性インキをはじきますが、最初に絵を描いた部分にはインキが付きます。
 5.そして、その上に紙を載せてプレスする。
 6.すると、インクの付いた部分が紙に転写される。

 7.以後、どんどん紙に載せていけば、油性インク部分が定着している限りコピーが出来る。
ヨーロッパでは19世紀に発明されたリトグラフ(石版画)が一般的で、多くの画家が制作しています。

版画というと、複製や印刷と思われる方も時々いらっしゃいますが、このように技法の違いこそあれ、多くの画家が制作している美術品としての価値ある作品なのです。
リトグラフに代表される版画は基本的に限定数を決めて作られます。その限定数を、分母が限定数、分子を通し番号として分数のかたちで画面下に表記します(200枚印刷したうちの12枚目なら 12/200 のように)。これをエディション番号と呼び、絵の画面下に表示されます。このエディション番号があることによって、リトグラフ作品の希少価値が分かります。(1枚しか制作されない版画にはエディション番号がない場合もあります)

版画は、制作の段階で限定数全てが均質に作られますから、価値も同じです。分子の番号が若いと価値も高いということにはなりません。
版画の限定数は分子に当たる数は1番から始まる通し番号となります。ただしそれはあくまでも通し番号で、
刷られた順番ということではないため、番号が若いからといって価格が高くなるということはありません。
この手法は現在まで数多くの画家や、写真家にも愛用されている他
 ちなみに何でこんな方法を思いついたかというと、売れない劇作家であった彼が「なんとか、自分の作品を安く出版したいなあ」と考えていたところ、彼が母親に頼まれた洗濯物のリストを、手近にあったクレヨンで石灰石の上にメモしたときに発見したんだそうです。こののち、この手法は今に至るまで、(私には良く解らないですが)エレクトロニクス分野でも重要な技術になっているのですから、洗濯物、恐るべしです(そっちかよ)。

 さて、先ほど版画の1種と書きましたが、これはいったいどういう事なのでしょうか。
 そもそも、版画には凸版、凹版、平版、孔版の4種類があり、リトグラフはこのうち、平版の部類に入ります。